有峰博物学
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ブナの実 殻の中には、三角形の茶色の実が二つ、向かい合って入っている。そのドングリの形がソバの実に似ていて、クリのような味がするので、別名「ソバグリ」とも呼ばれている。 ブナの結実は、樹齢が約50〜70年頃から始まるといわれる。 その実は、ツキノワグマやニホンザル、ムササビ、リス、ネズミ、ヤマネなどブナの森に棲む野生動物たちにとって欠かすことのできない貴重な食料源である。 ブナ林帯に生息する野鳥・・・アオゲラ、アカゲラ、ヤマセミ、アカショウビン、カワガラス、ミソサザイ、オシドリ、カルガモ、ホシガラス、ヤマドリ、キジバト、エナガ、ヨタカ、コノハヅク、フクロウ、ヒタキ類、カラ類など。 |
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有峰のブナ林帯に生息するほ乳類・・・ツキノワグマ、ニホンカモシカ、ニホンザル、ホンドテン、ニホンリス、ニホンイタチ、アナグマ、ホンドキツネ、ホンドタヌキ、カワネズミ、アカネズミ、ヒメネズミ、ヤマネ、ムササビ、モモンガ、ノウサギ、コウモリ類、モグラ類など。 有峰のブナ林帯に生息する爬虫類・・・ニホンマムシ、ヤマカガシ、シマヘビ、アオダイショウ、ジムグリ、ニホントカゲ、ニホンカナヘビなど※。 ※有峰の爬虫類に関する詳細はありみネット(2021年度版)参照 |
有峰のブナ林帯の清流(西谷の沢や真川)に生息する水生昆虫・・・ブナ林内を流れる清流は、大量の落ち葉をエサとする水生昆虫が種類、量ともに豊富で、それを主要なエサにしている渓流魚の宝庫でもある。主な水生昆虫は、カワゲラ類、トビゲラ類、ヒラタカゲロウ類、フタオカゲロウ類、モンカゲロウ類、マダラカゲロウ類、ヘビトンボなど。 有峰のブナ林帯の清流や有峰湖に生息する魚類・・・イワナ(ニッコウイワナ)など。 有峰のブナ帯に生息する両生類・・・アズマヒキガエル、ヤマアカガエル、モリアオガエル、カジカガエル、クロサンショウウオ、ハコネサンショウウオ、ハクバサンショウウオ、ヒダサンショウウオなど。 有峰のブナ帯の昆虫類・・・有峰には、過去分布調査で、15目236科2771種が分布していることが報告されている4)。ブナ(属)に依存する昆虫は、エゾハルゼミ、フジミドリシジミ、ヒメオオクワガタ、ミヤマクワガタ、ブナアオシャチホコ、マルモンシャチホコ、ウグイスシャチホコ、タカムクシャチホコ、エゾギンモンシャチホコ、ゴマシオキシタバ、ヨシノキシタバ、ソトキイロアチバ、ウラギンガ、ヒメギンガ、ウスジロトガリバなどです。特に、蛾類については隣県の白山と共通する種が生存していることが確認されている4)5)。 ○有峰に生息する動物の分布は、「ありみね高校生学びの森」実施報告書からの抜粋データに基づいて掲載している6)。 ○有峰村の住人は、和田川が有峰湖建設により水没する前、イワナを貴重な蛋白源として、味噌を醸造する際にできるたまりを付けて食べていた記録があります3)。 |
○ブナの着生植物 雪の深さを知る・・・ブナの幹に着生するチャボスズゴケの生育箇所から積雪深を読み取ることができる。チャボスズゴケがつき始める下端の高さに1.1〜1.2をかけた高さが、およその最大積雪深と推定できる。 ブナの部位に特徴的な地衣類・・・根元には、ウラミゴケ、幹の中央部にはトリハダゴケ、幹の上部にはミヤマクグラやヨコワサルオガゼ、枝分かれした幹にはナメラカブトゴケ、枝先部分には、ヒモウメノキゴケ、アンチゴケ、カラタチゴケが着生している場合が多い。 |
文献 |
1)有峰特集、とやまと自然、第19巻第3号(秋号)、富山市科学文化センター、1996 |
2)ブナ北限の里 黒松内町ブナセンターHP、ブナの基礎知識 |
3)前田英雄編、有峰の記憶 2009年/桂書房 |
4)中川秀幸他、有峰の昆虫類、常願寺川流域(有峰地域)自然環境調査報告別冊、1996 |
5)白山の蛾類、はくさん 第10号巻第3号(通巻45号)、1983 |
6)ありみね高校生学びの森実施報告書 第1回〜16回 |