監修者のことば

「有峰俳壇」開設にあたって      中坪 達哉

俳句は、私たちを取り巻く美しい自然とそれに育(はぐく)まれたそれぞれの営みを、四季の移ろいの中で詠んでゆく十七音の文芸です。世界でも類のない季語と最短詩型が瞬間的に生み出すイメージ力の大きさが注目され、俳句は世界各国に普及しつつあります。

 有峰森林文化村の開村以来、俳句で有峰を詠(よ)む活動が続けられていることは意義深いものがあります。今年から有峰ビジターセンター内に設けられた「投句ボックス」に寄せられた作品からも、有峰の自然と向き合った方々の熱い思いが伝わってきます。

美しいが厳しくもある自然を見つめ、人間や動物のみならず、あらゆるものを「生き物」のように捉(とら)えようとする俳句のこころは、まさに有峰森林文化村の「水と緑といのちの森を永遠に」という基本理念と通じるものがあります。

 有峰のすばらしさが俳句作品を作ることで一層思い出深いものとなり、またそれらが作品集としてまとめられ、有峰の魅力発信の一助になるならば望外の幸いです。

平成16年12月


※「有峰俳壇」は、中坪氏の監修・指導により詠まれた俳句を掲載しています。(ただし、桜花会の句は例外です。)

監修者プロフィール・・・                                   
中坪 達哉(なかつぼ たつや [本名])

昭和57年  俳句雑誌「辛夷(こぶし)」主宰・福永鳴風(めいふう)先生に師事 
平成14年  「辛夷(こぶし)」無鑑査同人

   15年   同 編集長
   19年   同 主宰
      ※「辛夷」は大正13年1月創刊の月刊雑誌、この11月号で通巻937号
       初代の主宰は、大正、昭和の戦前期において、その神韻たる格調の高さで俳壇に
        その人ありと知られた前田普羅(明治18〜昭和29)


平成13年  富山県俳句連盟 副会長
   21年   富山県俳句連盟会長

平成 6年  (社)俳人協会(本部)幹事
   15年   同 「俳人協会賞」予選選考委員

平成9年〜 北日本放送・ラジオ文芸講師
  15年〜 北日本新聞・俳句カルチャー教室講師
  15年〜 北日本新聞夕刊「きょうの一句」連載

平成13年〜 「元気に富山推進会議」(富山県)魅力発信委員会・委員
  15年〜 富山県民謡おわら保存会「越中おわら」新歌詞・選者

各種俳句大会などでの講師、小学校での俳句授業

俳句の世界以外からの講演依頼としては
16. 5. 27 日本電気技術者協会北陸支部総会・講演
16. 7.17 氷見市の西方寺にての法座「俳句と人生」
16. 8.12 「街並み記憶を伝える会」交流会
16.11.3 大沢野町川柳協会十周年記念大会
16.12.1 魚津市「水曜会」

句集 『破魔矢(はまや)』(平成12年)、 『四君子(しくんし)』(平成2年) 
著述  「前田普羅(ふら)―求道(ぐどう)の詩魂―」(『俳句研究』)
    「前田普羅論」(『とやま文学』)を始めとする俳句にかんする評論

    及び、地域文化にかんする著述等