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有峰村民の皆様と、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2020年12月18日 第455号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/吉江 良
(発行日現在の有峰村民人口:1,284人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆森の案内人通信 ~「山じまい歓喜の集い」の開催を終えて~ 大井 晋
◆有峰東岸線問題を経済的効果面から考える         中川 正次
◆R3年度文化村指導員の新規募集について(再掲)   有峰森林文化村
  
編集局からのお知らせ                有峰森林文化村

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森の案内人通信 ~「山じまい歓喜の集い」の開催を終えて~ 大井 晋 
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 令和2年10月31日(土)~11月1日(日)の2日間の日程で、講師に太郎平
小屋オーナー、立山黒部環境保全協会薬師会・奥黒部支部長の五十嶋博文氏
とネイチャーイストの松田秀明氏、杉江真佐美氏両名を招聘して有峰文化村
のシーズン最後の行事「山じまい感謝の集い」を開催しました。
 
 今年度はコロナ禍の影響でバス乗車人員を絞ったため、二家族はマイカー
で参加して頂きました。参加者は講師の方々を含め23名(内未就学児6名)
でした。参加者は家族連れ、ご高齢の方々と年齢層も様々でした。この2日
間とも晴天に恵まれ楽しい行事となりました。
 
 参加者を乗せたバスは有峰に12時に到着。各自昼食後、13時から有峰ビジ
ターセンターにて「はじまりの会」を行い、次長吉江の挨拶、今回の講師で
ある松田氏と杉江氏両名の紹介、担当大井より2日間のスケジュールを説明
しました。
 
 13:20より、猪根平でネイチャーゲームを行いました。ネイチャーゲーム
は、ホールインワンゲーム、私はだれでしょうゲーム(前に出た一人が、質
問をして、班員から出されたヒントをもとに動物の名前を当てるゲーム)を
しました。

 その後は樹木園に移動し、動物の名前当てゲーム(ヒントとなる掲示板を
たどり動物の名前を当てるゲーム)をしました。また、木々の落葉を拾い集
め、落葉を組み合わせたお飾りも作りました。有峰の自然を活かしたネイチ
ャーゲームの企画は大変素晴らしかったです。

 16時過ぎには有峰ハウスにチェックインし夕食までは自由な時間を過ごし
ました。

 夕食後19:30より、2グループに分けて「夜の語り部講」を開催しました。
 
 Aグループは、五十嶋講師による講演で「山を守る、薬師岳とともに60
年」を聞きました。講演内容は自身が経営する山小屋(太郎平、スゴ乗越、
薬師沢、高天原)の紹介とその歴史、自然保護、黒部源流部に関する秘話
など多岐に及びました。特に昭和38年豪雪時に山岳史上最大の遭難事故と
なった愛知大生の悲話や太郎平小屋を訪れた女優・吉永小百合らとのエピ
ソード話が印象的でした。

 Bグループは、松田・杉江両講師によるクラフトの作成です。予め準備さ
れた木の実、小枝などの材料を使い、各自、思い思いのオリジナル作品を作
りました。
 
 その後、皆さんでしばしの談笑をして21時に一日目のスケジュールを終了
しました。

 2日目、11月1日は、9:00よりバーベキュー広場で交流会を実施しました。
交流会は、餅つきを中心に、ハンモックによるリラクゼーション体験、猪根
平周辺の散策を楽しみました。つきたてのお餅はあんころ餅ときな粉餅にし、
お土産としてお持ち帰り戴きました。
 
 昼食後、13時よりビジターセンターにて「ふりかえりの会」を実施し、有
峰森林文化村のスタッフ全員でお見送りをし、「山じまい感謝の集い」を終
了しました。今後も、有峰森林文化村の主な活動、憩う。学ぶ。守る。を継
承しながら村民のニーズに即したイベントや、有峰の自然を活かした企画を
実施していきます。

良かった点
・少ない人数のなか、皆さんの協力で無事に「山じまい感謝の集い」が実施
できたこと

反省点
・参加者の高齢化が進んでおり、諸準備・後片付けが文化村スタッフ中心に
ならざるを得なかったこと。







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有峰東岸線問題を経済的効果面から考える         中川 正次 
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 有峰林道東岸線の舗装化については、有峰森林文化村新聞2020年10月16日
号で、私は反対意見を述べました。
 http://www.arimine.net/annai/paper20201016.htm
 その後、富山県議会11月議会でも話題になり、県の考えが示されました。
 それは、ハクバサンショウウオの生育環境の保存に対して十分に配慮する
というものでした。

 東岸線舗装化の是非を、下図のように図解して考えてはどうでしょう。

縦軸に、環境に与える影響を置きます。上が好ましく、下が良くないとしま
す。横軸に、工事がもたらす経済性を置きます。右が良く、左が良くないに
なります。
 中学で習った、第一象限、第二象限という考えで整理してみましょう。

 ハクバサンショウウオに代表される希少動植物問題は、下の段、すなわち、
第三象限あるいは、第四象限に入ると、私は考えます。このことは、上に掲
げた有峰森林文化村新聞で述べました。県は、工法次第では、上の段に入る
かもしれないから、検討委員会の意見を聞きたいという考えでした。つまり、
右側に属することは明らかだとみなしておられるように感じました。

 今回は、この希少動植物問題を横において、東岸線の舗装化は、経済性が
良いのか良くないのかを吟味してみます。即ち、東岸線舗装は、本当に右側
かという検証です。
 
 希少動植物問題は、有識者によって、意見が分かれる可能性があります。
有識者が太鼓判を押したけれど、別の結果になってしまったということは、
世間には残念ながらあります。今回は、有識者によって意見が異なりうる問
題は別にして、ちょっと考えればわかる話をしたいと思います。注意してほ
しいのは、私が、希少動植物問題をどうでもよいと言っているのではなくて、
問題を切り分けして考えたいと言っているだけであることです。問題を切り
分けして、東岸線を舗装することが有峰にとって役に立つ右側かどうかとい
う検証をするのだということを理解してください。

 世間には、元が取れようが取れまいが税金を投入しなければならないもの
がたくさんあることは言うまでもありません。教育、福祉、警察などがそう
です。有峰林道は、東岸線が未舗装の状態で、十分な機能を果たしています。
東岸線が未舗装なら、小見線・折立線などの機能が生きてこないというのな
ら、話は別です。しかし、そのようなことはありません。この先さらに税金
を投入したら、有峰林道全体としての機能が、投入に見合うほど増すかどう
かを調べたいのです。

 今から、説明する中で重要な視点は、東岸線からは、薬師岳が見えず、細
かなカーブの多い曲がりくねった道ということです。飛越トンネルから猪根
平(有峰ビジターセンターのある場所)に観光ドライブするなら、薬師岳が
見える西岸線をドライブしたほうが楽しいということです。

1 林業生産、保安林管理上の効果
 植林地には既存の道路で十分アクセスできます。現在までも、林業として
材の伐採や運び出しは行っておらず、森林の整備のみであれば砂利舗装の林
道があれば十分と思います。

2 北陸電力の送電設備管理上の効果
 舗装する必要は低いと思われます。

3 立山カルデラ工事車両にとっての効果
 小見線、折立線を使うので、東岸線を利用することは考えられません。

4 薬師岳方面の登山者にとっての効果
 県内・関西の登山者は、小見線、折立線を使うので関係ありません。
 東京・中京の登山者は、東岸線を使えば、20分程度短縮されましょう。
しかし、半日近くかけてやってくる登山者、7時間以上かけて薬師岳まで歩
く登山者、多くは折立で前泊する登山者にとって、東岸線を使うことで20分
短縮は意味が薄いと思います。登山者の多くは自然を愛する人達です。あえ
て不便を楽しむために山に来ています。今ある自然を壊してまで近道を通り
たいと思うでしょうか。

5 平湯あるいは神岡にいる旅行者が立山山麓に行くための効果
 大多数は、無料の国道41号線を使うと考えられます。なぜなら、有峰林道
は、6月から11月12日までしか通れない、午前6時から午後8時までしか通れ
ない、24時間雨量80ミリに達すると通れない、林道使用料がかかるからです。
 新緑、紅葉の有峰を通って立山山麓に行きたいという人もおられると考え
られます。しかし、その人は、西岸線を通ると思います。なぜなら、薬師岳
が見えるからです。
 よって、平湯あるいは神岡にいる旅行者が立山山麓に行くための効果はほ
ぼないと考えます。

6 北から南下して有峰ハウスに泊まる人に与える効果
 小見線あるいは小口川線から有峰に入り有峰ハウスに泊まる人です。富山
県の人、北陸の人、関西の人が含まれます。人数が多いです。関東や中京か
らでも、北陸自動車道の立山インターで降りて有峰に入る人は多いと思われ
ます。ほとんどの人が、小見線で往復です。行きは、小口川線、帰りは小見
線という人もおられます。一部に、行きは小見線あるいは小口川線で上がっ
てきて、飛越トンネルを経て、神岡に抜けて、帰宅される人がおられます。
最後に申し上げた人たちは、景色のよい西岸線を使うと思います。よって、
東岸線の効果は小さいと思います。

7 南から飛越トンネルを経由して有峰ハウス宿泊者に与える効果
 岐阜県の人や平湯トンネルを経由しての関東の人もおられると思います。
もともと、人数は少ないです。行きも帰りも、景色のよい西岸線を通る人が
多いと思います。行きは西岸線、帰りは東岸線という人もおられると思いま
す。しかし、行きも帰りも東岸線という人はいないと思います。よって、東
岸線の効果は、小さいのではないかと思います。

8 県内の方で、日帰りで有峰にドライブを楽しむ人たちに与える効果
(1)どうやって有峰に来て、帰るかを考えてみましょう。小見線で往復す
る人、行きは小口川線・帰りは小見線の人、その逆の人、小見線あるいは小
口川線で有峰に来て帰りは神岡を通って帰る人、その逆の人。これらのパタ
ーンがあります。東岸線を使う可能性があるのは、神岡へ抜ける人、神岡か
ら上がってくる人だけです。その人が、景色の良い西岸線を使うのは間違い
ないのではないでしょうか。よって、東岸線を使う人はめったにいないと思
います。したがって、効果はゼロに近いと考えます。

(2)湖を一周することを考えます。このニーズは確かにあります。しかし、
湖の一周は、1時間半かかると考えられます。山道の1時間半は、疲れます。
同乗者は、ほとんど寝てしまいます。山道は車に酔うという方が思いのほか
多いです。このことは、有峰に知り合いを誘った時にいつも体験することで
す。富山市中心部から有峰までは1時間半かかります。小見線往復の人が多
いから、その人は、一日に既に3時間自動車に乗っています。それに1時間半
が追加され、合計4時間半になります。結論、一回、一周すれば十分であっ
て、リピーターは生まれないのではないでしょうか。友達に、「有峰どうだ
った?」と聞かれて、「きれいだったけど、疲れたわ」と答えることが多い
のではないでしょうか。クチコミの力を考えると、一見(いちげん)さんの
数も、じり貧の可能性が高いと思います。
 
 世間には、一回行けば十分と言われてしまう観光地が多いです。そんなこ
とは、決してガイドブックや新聞やテレビで報道されません。しかし、明ら
かに、そのように言われているところはたくさんあります。クチコミは正直
です。有峰をそんな場所にしてはならないと思います。

9 魚釣りや山菜・きのこを採る人たちに与える効果
 魚釣り、山菜、きのこ採りの人は、できるだけ同じ狙いを持つ人がいない
ほうが成果を得ることができます。人がアクセスし難い現在の東岸線は、多
くの人が入ることによって荒らされておらず、良ポイントも多いです。彼ら
は、道具を持って山道を歩くことを厭いません。そこに誰もが気軽に入るこ
とができる状態になることには、むしろ反対なのではないでしょうか。
 
 そもそも、魚釣り、山菜とり、きのことりは、そこに豊かな自然がないと
成り立ちません。これらの人は、熟練者であればあるほど、自然の中に身を
置き、その一部を頂いていると理解しており、基本的に「開発」には反対姿
勢を示す人が多いと思います。
 
 なお、未舗装のまま開放すれば、道路の土砂崩れによって事故発生が懸念
されます。有峰林道は、有料道路であるから、巨額の賠償金を請求されます。
したがって、未舗装開放は絶対に不可です。有料林道であるがゆえに、事故
による損害賠償を恐れ、未舗装区間にゲートを置いて閉鎖してきました。こ
の有料道路なるがゆえの安全重視は、私が有峰に携わり始めたころ、背戸川
所長、中村所長代理から、口酸っぱく教えられたことでした。そのことが、
釣り人たちにパラダイスを用意することにつながりました。ここに、有峰が
人々を引き付けてきた秘密があると思います。

 以上の推論に立って、有峰林道の林道使用料の増収分、有峰ハウスの増収
分を計算し、東岸線工事に要する経費、維持管理に要する経費を計算し、比
較したらどうなるでしょうか。東岸線工事は、図の左側に位置しませんか。

 今、仮に、小見線や折立線の工事をこれから着工しようと思っていたら、
ハクバサンショウウオに代表される生き物がいたとしましょう。その場合は、
図の右側に属するのであって、環境原理主義者を標榜する私もさすがに反対
しません。

 そもそも、東岸線舗装は、大規模林道高山大山線にとって、最後の工事区
間です。優先順序の高いところから着工するのですから、東岸線が最も低い
優先順序であることは、工事の歴史が自ら証明していると思います。素掘り
のトンネルの中に滝が流れ信号があった小見線、岐阜県と連絡しようと思え
ば国道41号線から大多和集落までのとんでもないつづら折り、それを解消
した東谷線の飛越トンネルの効用は、語りつくせぬものがあります。2000年
富山国体に来られる人に有峰へ来てもらいたいという理由で、完成していた
小口川線にがんばってもらい、小見線を2年間通行止めにして何本ものトン
ネルや橋を整備したのがとりわけ大きいです。大規模林道高山大山線は、有
峰のインフラを飛躍的に改善しました。極めて高い費用対効果を出していま
す。関係者の努力に頭が下がります。

 今、ここで、東岸線を舗装したら、折角の費用対効果を下げるだけではな
いでしょうか。図の左側の効果しか、私には見込めないからです。このまま、
体操の鉄棒で着地してYの字型のポーズを取ればいいものを、マットに着地
してから、でんぐり返しするようなものではないでしょうか。おそらく国内
の大規模林道の優等生なのではないでしょうか、高山大山線は。その優等生
の座を失うような東岸線工事は中止した方がいいと思います。
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◆R3年度文化村指導員の新規募集について(再掲)   有峰森林文化村

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 春から秋の期間において、有峰森林文化村指導員として有峰ビジターセン
ター等において勤務する指導員を、下記のとおり随時募集いたします。
 自然や山・動植物など、有峰の大自然に毎日感じながら業務のできる、
とても環境に恵まれた仕事です。
 ご興味のある方は、ぜひ一度業務内容等の説明を受けてみませんか。
 皆様からのお問い合わせお待ちしています。

1.業務の概要
 (1)文化村行事の企画補助、運営
 (2)下記施設の運営管理や遊歩道の案内、施設の受付、清掃管理
   ①ビジターセンター(グッズ販売含む)
   ②冷夕谷キャンプ場(利用料金徴収含む)
 (3)上記(1)(2)実施のための事務及び実施計画・実績報告作成等
 (4)その他付随する業務

2.雇用予定期間 
  令和3年5月中旬~11月中旬
3.雇用形態 
  (公社)富山県農林水産公社の嘱託職員(継続雇用可能)

4.就業時間
  8時30分~17時15分(休憩時間12時~13時)
5.賃金(R2実績)
  有峰上山勤務:10,480円、有峰下山勤務時:6,820円
  通勤手当、退職手当及び賞与は支給しない

6.社会保険等
  社会保険、雇用保険に加入する。
7.勤務体制
  土曜日、日曜日及び平日に主催する行事は、全6人体制での勤務とし、
 それ以外は3人体制のローテ―ション勤務としている。
  1班:有峰森林部次長(県から公社への出向職員)と指導員2名
  2班:主任指導員(公社年間雇用職員)と指導員2名

8.休日等
  勤務日・・・・・・・・・月平均20日程度で指示のある日
  週休二日制(毎週)・・・勤務シフトによって休日を定める
              (日祭日に行事があるため)
  有給休暇・・・・・・・・公社の規定による
9.勤務地
  富山市有峰村川谷割26-15(有峰上山勤務)
   有峰ビジターセンター 5月中旬~11月中旬
  ただし、上山前に2日程度、富山市内で研修あり

10.宿泊施設(原則、勤務期間中は宿泊して勤務する。(休日除く))
  富山市有峰 有峰管理事務所庁舎(県の施設)の2F(個室4.5畳)
  ・宿泊料:無料 ・食事代:19,000円/月(R2実績)
11.通勤(上山)方法等
  富山市舟橋北町4-19森林水産会館に集合し、公社の車両を使用
 して上山

12.連絡先 富山県農林水産公社 有峰森林部 吉江 TEL076-444-4481
 
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◆編集局からのお知らせ                有峰森林文化村
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次号の有峰森林文化村新聞は、1月15日に発行予定です。
 6月~11月間は二週間毎に、12月~5月間は月1回、第3週の金曜日に発行い
 たします。
◇ホームページありみネット 
    http://www.arimine.net /へのリンク
◇文化サークル活動所/有峰デジタル画廊にどしどし投稿お待ちしています。
 (デジタル写真でも絵画(写真に撮って)投稿してください。)
  有峰森林文化村新聞は村民の交流の場として利用してください。
◇有峰森林文化村では皆様からいただいた情報やご意見、感想を掲載いたし
 ますので、どしどし投稿をお待ちしております。
◇あて先   E-メール:info@arimine.net
                     有峰森林文化村助役(編集長)
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