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有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン

有峰森林文化村新聞 2016年10月28日 第374号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/青山和浩
(発行日現在の有峰村民人口:852人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆俳句ポスト9月入選作品
◆ねじばな便り
  〜行革がきっかけ~                 中川 正次
◆編集局からのお知らせ                 
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◆俳句ポスト9月入選作品
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富山県俳句連盟会長 中坪達哉 選(添削後)

天高し木々のささやき夫と聞く   西野可代子
心地よき風にさそわれ湖の秋    三輪 範子
有峰のダムが我呼ぶ秋の風     紙居 幸男
舞うごとき木々の葉擦れや秋近し  山本 章子
星空に雨がぽつりと九月かな    河原 芳博
有峰の木洩れ日を行く秋の風    三輪 良憲
永遠の木にあやかりたしと秋空を  沼田 陽子
木洩れ日の森を進めば秋の湖    中島 奉子
オカリナの音色に合わせススキ揺れ 片瀬真佐恵
山歩きおにぎりに汗ふきとんで   中村美根子
山ぶどう五房もありて食べ頃と   山本 久子
山ぶどう猿来る前に食べもして   野澤 淳子
永遠の木のゆるぎもなくて秋日和  高沢由美子
有峰に今日一日を茸狩り      佐野 栄子
冷タ谷ススキ流るるブナ林     中島 克敏
見上げれば緑の零れしみわたる   瀧田久美子
澄みわたり気高くありぬ薬師岳   松本 英俊

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◆ねじばな便り
  〜行革がきっかけ~                 中川 正次
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 有峰森林文化村は、基本構想が2001年5月、基本計画が2002年7月に作
られね同年8月に開村式を挙行しました。どのように進んでいったかを
お話します。

 私が、有峰にかかわり始めたのは、1999年です。4月の人事異動で、
富山県庁農林水産部治山課の事務の課長補佐になりました。1956年生ま
れですから、43歳でした。現在、富山県における林業行政は、森林政策
課が所管しています。しかし、当時は、林政課と治山課の二つの課で分
担していました。山崩れを防ぐ治山工事、林道工事、森を守る保安林制
度、そして有峰森林を担当する課が治山課でした。その他の林業行政を
林政課が担当していました。林政課は、林業職員の人事、森林育成、森
林組合、木材加工、森林公社、中央植物園、林業試験場、木材試験場な
ど広範な分野を担当していましたから、森林公社などへの出向者も含め
ると職員数45人の大人数の課でした。それに比べて、治山課は、公共事
業を担当していたことから予算は大きいとはいえ、職員も16人と少ない
(出向者なし)課でした。

表1. 林業関係の本庁常勤県職員数の推移

1999年度 2016年度
林政課 45 -
治山課 16 -
森林政策課 - 65
うち全国植樹祭 - △ 18
合計 61 47


 1999年度は、本庁の林業関係常勤県職員は61人でした。現在は、65人
です。そのうち、来年度の全国植樹祭関係の職員が18人いますから、そ
れを差し引くと47人です。1999年度の61人には、有峰管理事務所の6人を
含んでいません。一方、有峰管理事務所は廃止され、有峰森林文化村係
として森林政策課に8人が属しています。たいした行革をしたものです。
人数が多い課は、課長との相談の時間も取りにくくなるものです。その
点、治山課は小さく、課長との相談が簡単にできるありがたい課でした。
 1999年4月、治山課の課長補佐として事務の引継ぎを受けたとき、有峰
の行革が懸案事項であると説明されました。それはこういうことです。
有峰には、県庁の3つの課がかかわっていたのです。有峰森林と有峰林道
に関わるのが、農林水産部治山課。有峰青少年の家に関わるのが、生活
環境部女性青少年課。有峰ふるさと自然公園に関わるのが、生活環境部
自然保護課です。有峰ふるさと自然公園とは、猪根平一帯の公園のこと
でビジターセンターが中核施設です。わかりやすくビジターセンターで
代表させることにします。森林・林道、青少年の家、ビジターセンター、
これらの有峰関係の所管が3つになっているのをすっきりさせたらどう
かというのは、行政改革を考えると容易に浮かぶアイデアです。

表2. 1999年度の有峰関係の所管課と現地常勤職員

施設 所管 常勤職員
森林・林道 農林水産部治山課 6
青少年の家 生活環境部女性青少年課 3
ビジターセンター 生活環境部自然保護課 0


 さらには、2000年国体に向けて、有峰林道小見線の整備が急ピッチで進
められていました。即ち、富山から有峰に向かう主たるルートである小見
線を一気に改良するため、2年間通行止めにして、新真谷トンネルなどの
整備を進めたのです。有峰管理事務所では、職員が5月から11月まで現地
に寝泊まりしていました。有峰林道が急速に整備されたことから、もう寝
泊まりしないで通いの出先で十分でないかということも行革の俎上に載り
ました。
 一方、有峰青少年の家は、1964年、県内で最初に作られた青少年の家で
した。当初は、大変な賑わいでした。その後、黒部、二上、砺波に青少年
の家が作られ、呉羽と利賀に少年自然の家が作られました。立山には国立
少年自然の家が作られました。富山市は、山田村に類似の施設を作りまし
た。児童生徒の減少もあり、有峰青少年の家の利用は急速に減っていきま
した。加えて、建物の斬新なデザインが災いしたのか、無人の冬に4メート
ル近く積もる雪のせいでしょう、融雪時に屋根の縁に大きな力が加わり、
結果、雨漏りに悩み続ける建物でした。所長は、女性青少年課長兼務で、
常勤職員は、小中学校籍の先生が2人と運転手さんの3人でした。
 ビジターセンターには、常勤職員がおらず、有峰管理事務所が自然保護
課から委託料をもらって、管理していました。林業職員のOBを1人半年
間だけ雇っていました。

 仕事をするのに、一番大事なのは、主務者であり、主務課です。有峰に
おける存在感としては、治山課6割、女性青少年課3割、自然保護課1割と
いった感じでした。同じ県の組織とはいえ、その合意形成は大変です。
例えば、「有峰青少年の家に宿泊学習している小学生に、森の機能を、
管理事務所の林業職員が説明すればいいのに」と誰もが思いますが、試み
られたことはあるとはいえ、毎年、恒常化した活動ではありませんでした。
そんなことを前提とした職員配置ではないので、「なんで、職務分担表に
書かれてもいないことをしなければならないのだ」と言われたら、ポシャ
るアイデアです。
 現場では、管理事務所と青少年の家は、山開きや山じまいで、管理事務
所の座敷で楽しく宴会するなど、わきあいあいとしています。しかし、
仕事はバラバラであり、さらには本庁での調整はやっかいです。陸軍と海
軍の対立のようなものです。どこかの課が音頭を取って、有峰を一本にす
れば、無駄も減り、県民に喜んでもらえるのではないかと、誰しもが思い
ます。治山課の職員で、一本化すべきであると説く人もおられました。
しかし、そう簡単に切り出せる話ではありません。

図1. 輪ゴムとしての有峰森林文化村

 治山課に異動して2年後の2001年5月に、有峰森林文化村構想をまとめま
した。そこでは、図のようなイメージを描いていました。森林・林道の赤
色鉛筆がある。青少年の家の黒い鉛筆がある。ビジターセンターの万年筆
がある。それら3本の筆記用具を束ねる輪ゴムとして有峰森林文化村がある。
3つの筆記用具には、自由度があるけれども、方向性は同じであるという
ものです。
 治山課は、県庁南別館の2階にありました。女性青少年課と自然保護課
は3階にありました。基本構想原案を作って、根回しをし、担当者レベル
で合意が得られたとしても、それぞれの部長の了解を取り付けるのはやっ
かいです。「なんで、有峰森林文化村なのだ。有峰自然文化村なら乗って
もいいけど」という調子です。両部の次長に協議してもらいたいところで
すが、「なんで、こっちが頭を下げなければならないのだ」という感じで
した。
 ですから、有峰森林文化村輪ゴム論は、ぎりぎりのところだったのです。
どんな役人も、自分たちの所管する仕事を減らすことには抵抗します。
内心、やめたいなあと思っていたとしてもです。そんな前提のもと、基本
構想を作り、基本計画の策定を進めていたのです。

 ところが、2002年の1月、予算査定の場で、中沖知事から、「有峰森林
文化村条例を作れ」と指示があったのです。条例の大きな役割は、県民
のみなさんからいただくお金を定めることにあります。つまり、有峰青
少年の家の宿泊料金は条例で決めなければならないのです。そうなると、
有峰森林文化村条例の主務課は一つでなければなりません。結局、青少
年の家も、ビジターセンターも全部、治山課所管となります。他の部の
仕事を別の部にもっていくという提案は、農林水産部長でも生活環境部
長でも総務部長でもできないことで、一人、知事のみができる命令だと
思います。みんながみんな、内心思っていたとしてもです。知事の命令
が出るまで、私も治山課長も農林水産部長も、生活環境部の仕事をこっ
ちによこせなどという提案をしたことはありません。それほど、知事の
命令は晴天の霹靂でした。
 このことによって、有峰に関わる県の組織をスリムかつ強力なものに
することが可能になり、実際問題として有峰に駐在する県常勤職員の数
は、9人から8人に減りました。

表3. 有峰に駐在する県常勤職員の推移

<
1999年度 2003年度
治山課 0 0
森林政策課 0 8
有峰管理事務所 6 0
有峰青少年の家 3 0
合計 9 8


知事がそのような指示をされた背景を、次の章でお話します。

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◆編集局からのお知らせ                 有峰森林文化村
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◇次号の有峰森林文化村新聞は、11月18日に発行予定です。

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◇文化サークル活動所/有峰デジタル画廊にどしどし投稿お待ちしています。
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◇有峰森林文化村では皆様からいただいた情報やご意見、感想を掲載いたし
 ますので、どしどし投稿をお待ちしております。
◇あて先   E-メール:info@arimine.net

                     有峰森林文化村助役(編集長)
あおさんのふるまい
 今年の主催行事も最後の「山じまい感謝の集い」のみとなりました。
今回は、定員を超える応募があり感謝感激しています。
 そこで、最後の昼食にと汁をふるまうことといたしました。昔の有峰びと
が主食としていた稗を使っての団子と天然きのこを併せて、十の食材を用い
た「と汁」を召し上がって頂き、全ての行事を閉じることと致します。
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