********************************************************************
ありみネット http://www.arimine.net/
有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン

有峰森林文化村新聞 2015年11月13日 第349号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/村田和彦
(発行日現在の有峰村民人口:841人)
********************************************************************
━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆有峰ビジターセンターは冬季閉鎖(閉館)します。   有峰森林文化村
今年の有峰の紅葉について               有峰森林文化村
◆ねじばな便り ~棚田とTPPと「しかたないがいちゃ」~  中川正次
◆編集局からのお願い                 有峰森林文化村
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
──────────────────────────────────
◆有峰ビジターセンターは冬季閉鎖(閉館)します。   有峰森林文化村
──────────────────────────────────
 有峰ビジターセンターは、11月13日から冬季閉鎖(閉館)し、有峰ビ
ジターセンターの業務を終了します。
 今年度、有峰を訪ねられ、有峰ビジターセンターにお立ち寄りいただいた
皆様、ご利用ありがとうございました。スタッフ一同お礼を申し上げます。
 有峰ビジターセンターのスタッフは、11月13日に下山します。


○有峰ハウス前から猪根山を望む     ○有峰湖展望台から有峰湖を望む
           (撮影年月日:11月12日))


○猪根平から薬師岳を望む       ○有峰ハウス別館横の有峰大助(ミズナラ) 
           (撮影年月日:11月12日)


──────────────────────────────────
今年度の有峰の紅葉について             有峰森林文化村
──────────────────────────────────
 今年の有峰の紅葉は、例年よりも早く始まりました。NHKで紹介もあっ
たことからか、たくさんの方に有峰を訪れていただきました。

 
10月8日  祐延貯水池周辺         同 左  小口川線沿線(祐延峠付近)

  
○10月14日 猪根山と有峰ハウスを望む ○10月15日 薬師岳を望む

 
○10月15日 有峰ダムと薬師岳     ○10月17日 有峰記念館屋上から

 
○10月24日 冷タ谷遊歩道(あがりこ付近) ○10月29日 猪根山を望む


──────────────────────────────────
◆ねじばな便り ~棚田とTPPと「しかたないがいちゃ」~  中川正次
──────────────────────────────────
 安倍首相は、『新しい国へ 美しい国へ 完全版』の中で、次のように書
いています。

 日本という国は古来、朝早く起きて、汗を流して田畑を耕し、水を分かち
合いながら、秋になれば天皇家を中心に五穀豊穣を祈ってきた、「瑞穂の国」
であります。

 自立自助を基本とし、不幸にして誰かが病に倒れれば、村の人たちみんな
でこれを助ける。これが日本古来の社会保障であり、日本人のDNAに組み
込まれているものです。

 私は瑞穂の国には、瑞穂の国にふさわしい資本主義があるのだろうと思っ
ています。自由な競争と開かれた経済を重視しつつ、しかし、ウォール街か
ら世間を席巻した、強欲を原動力とするような資本主義ではなく、道義を重
んじ、真の豊かさを知る、瑞穂の国には、瑞穂の国にふさわしい市場主義の
形があります。

 安倍家のルーツは長門市、かつての油谷町です。そこには棚田があります。
日本海に面していて、水を張っているときは、ひとつひとつの棚田に月が映
り、遠くの漁火が映り、それは息をのむほど美しい。

 棚田は労働生産性も低く、経済合理性からすればナンセンスかもしれませ
ん。しかしこの美しい棚田があってこそ、私の故郷なのです。そして、その
田園風景があってこそ、麗しい日本ではないかと思います。

 市場主義の中で、伝統、文化、地域が重んじられる、瑞穂の国にふさわし
い経済の有り方を考えていきたいと思います。(引用ここまで)

 なるほどと思います。「DNAに組み込まれている」なんて、随分情緒的
な表現ですが、言わんとすることはわかります。しかし、このことと、TP
P推進の関係がわかりません。

 私のところは、庄川扇状地の扇央に位置します(扇状地の頂点が扇頂、末
端が扇端、中央部が扇央)。工場や住宅が混在しています。中山間地でもあ
りませんし、棚田もありません。終戦直後に生まれた人たちが、会社を定年
になり、営農組合を組織し、大活躍しています。土地の所有権が調整されて、
大きな田んぼになっています。農業機械は、営農組合が買った最新鋭機です。
持ち寄りは、田んぼトラックだけ。農業機械を運転するのは、30歳から6
0歳くらいまでの青壮年。しかし、育苗ハウスの設営など、年寄でもできる
作業がたくさんあるので、若い人から年寄りまで、多くの人が出てくる集落
営農です。扇央にあるので、田んぼにはたくさんの石(こぶしぐらいの大き
さ)があります。春先には、奥さん方も出てきて、みんなで拾い、肥料の袋
につめて、よっこらしょと、あぜ道まで運びます。半日やると、とても腰が
痛くなります。自分が所有する土地と田んぼの形状は関係がないので、「自
分の土地の石を人に拾ってもらっている、他人の土地の石を拾ってあげてい
る」という感覚はありません。「われらの田んぼの石を拾っている」という
感覚です。しかし、こうやって石を拾っても、トラクターで耕すと、下から
また石がどんどこと出てきて、毎年、拾わないとだめなところです。所有す
る農地面積と、作業に出た日数が計算されて、収益が分配されます。とはい
え、全部で、50ヘクタールありません。石拾いのことを考えただけでも、
こんな地区が、TPPに耐えられるのでしょうか。

 私の地区は特異です。30年近く前に、地区で協定を結び、分家以外の宅
地開発を禁じたので、よその人が入ってこなくなったのです。周りの地区に
おいて、団地ができて、よその人と元からの人が混住化し苦労しているのと
対照的です。閉鎖的といえば閉鎖的です。もともとは祭りがなかったのです
が、みこし祭りを始めました。それくらい、まとまりがあります。地区で不
幸があると、ほぼ全戸から1人、マイクロバスで、式場に行きますが、バス
の中で「ここに住んでてよかった」と口々に言います。「母は、ここに嫁に
来て幸せだといつも言っていました」という喪主挨拶を、私は何度も聞きま
した。

 だから、この地区は、TPPへの適応力を、周囲の地区より持っていると
は思います。しかし、その適応力をはるかに超える力をTPPはもっている
のではないかと心配です。

 100の地区があったとします。仮に、70がうまく乗り切ったとします。
けど30は地区の農業が崩壊するかも知れません。それが地域間競争という
もの。30の地区に対して、お金で補償すればいいというものではあります
まい。そももそ、彼らが、何の悪いことをしたというのでしょう。また、公
共事業で支えられるものではありません。即ち、それは、国土の荒廃ではあ
りますまいか。国境問題にとても注意を払っている積極的平和主義者の安倍
首相の考えと矛盾しないという説明を聞きたいです。

 農林水産省が昨年6月に作った「攻めの農林水産業」の実現に向けた新た
な政策の概要〔第2版〕が公開されています。
http://www.maff.go.jp/j/pamph/pdf/semep2_kaitei2.pdf

 26ページには、林業の成⻑産業化ということが書いてあります。このペー
ジに書いてあることが、積雪が多く、山が険しく、木の根元が曲がる富山県
で実現するでしょうか。それ以上に、森林は、農地以上に、安定的な生態系
を前提とする営みです。そこで成長産業化を狙うということは、土壌の収奪
に繋がりませんか。森林生態系に対する見方が根本的に誤っていませんか。
林業は戦後早々と自由化がすすめられ、外材がどんどん輸入されました。今
後は、中山間地の集落の農業がTPPによって崩壊し、中山間地に住めなく
なり、それが引き金になって、里山の林業が崩壊し、国土保全上問題が生ま
れるということを私は心配します。県の林業職員にそのへんの意見を聞きた
いところです。「しかたないがいちゃ」では済まされない。

 環境原理主義者の私は、地産地消こそが、平和な地球を築く基本だと思い
ます。

  
   ネジバナ(猪根平にて H27.8.15)撮影:岡本指導員


──────────────────────────────────
◆編集局からのお願い                  有峰森林文化村
──────────────────────────────────
◇ホームページありみネット 
    http://www.arimine.net/mysite2/index.html

◇文化サークル活動所/有峰デジタル画廊にどしどし投稿お待ちしています。
 (デジタル写真でも絵画(写真に撮って)投稿ください。)
  有峰森林文化村新聞は村民の交流の場として利用してください。
◇有峰森林文化村では皆様からいただいた情報やご意見、感想を掲載いたし
 ますので、どしどし投稿をお待ちしております。
◇あて先   E-メール:info@arimine.net

◇お願い 
 有峰森林文化村新聞のお問い合せなどの返信メールは、受付が出来な
いシステムになっていますので、ご留意をお願いします。
 (一斉配信のため)
           有峰森林文化村助役(編集長)
──────────────────────────────────