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ありみネット http://www.arimine.net/

有峰村民の皆様と、ほぼ2週間に一度、双方向で交流するメールマガジン
有峰森林文化村新聞 2007年1月20日 第121号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/中川正次
(発行日現在の有峰村民人口:550人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆2007年度の主要行事決定 カレンダーにマーク!
◆オレゴン有峰往復書簡第5回目 オレゴンから有峰へ  小杉礼一郎
◆「第3回ありみね高校生学びの森」 高校生感想文
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◆2007年度の主要日程決定 カレンダーにマーク!
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有峰林道開通(6月上旬から11月12日月曜日まで)

山開き歓喜の集い(6月2日土曜日から3日日曜日)
山じまい感謝の集い(10月27日土曜日から28日日曜日)

有峰森林文化村祭(8月11日土曜日から12日日曜日)

春の恵みの集い(6月6日水曜日から7日木曜日)
秋の恵みの集い(10月17日水曜日から18日木曜日)

ありみね高校生学びの森
(6月9日土曜日、8月6日月曜から8日水曜日、10月20日土曜日)

俳句の会(9月29日土曜日から30日日曜日)
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◆オレゴン有峰往復書簡第5回目 オレゴンから有峰へ  小杉礼一郎
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我家の大晦日は、友人家族ら四十数名が集まる餅つき(パーティー)が恒
例になりました。子供らが小さかったころ、せめて日本の季節の風習を少
しでも味わせてやろうと「そうだ、餅つきしよう」と家内が言い出し(こ
れは簡単。3秒! )私が杵と臼をつくることになりました。(これが大
変。丸5日間、手はマメだらけ)苦労の甲斐あって素人ながらなかなか上
手く出来、これを使って毎年餅つきをしています。

つきたての餅に小豆、きな粉、擂り胡桃、納豆、大根おろし、などをから
めて食べるととても美味しい。各家族がおせち料理を持ち寄って、ワイワ
イと賑やかな年越しです。

頼まれて、地元の幼稚園や教会で出前?餅つきをやったこともあります。
「何でライスをいじめているの?日本人のやること判んないよ」とアメリ
カの子供達。つき上がった餅にきな粉、シナモンシュガーをまぶして食べ
ます。 (後者は面妖な味です)話しが喰い気にそれてしまいました。

餅つきの臼にはトチノキが一番らしいですが、オレゴンでは、米松(ダグ
ラスファー)の根元部分の輪切りを太いやつを刳り削って臼にしました。
杵の柄は強度を考えて同じ米松のアテ材(堅くクセのある部分)を使い槌
にはノーブルファー(建具材に用いられるモミ材)で作ります。杵は大小
三丁つくりました。ちなみに、米松(ダグラスファー)はオレゴン州の
「州の木」です。富山県の立山杉みたいなものです。

有峰に生えているトチノキと同じ樹はこちらには無かろうと思っていまし
たが、最近、これに近い「Buck Eye」という樹があることを知りました。
別名California Buck Eyeともいいカリフォルニアが主な生育地です。オ
レゴンでは、園芸樹として植わっています。先日カリフォルニアへ行って
自生種を見てきました。日本のトチほどには幹が太くなく、一回り小さい
のでやはりこれで臼を作るのは無理のようでした。あのヤツデのような葉
です。栃の実も同じようにできるのだろうか?と考えていると「米ができ
ない有峰でも餅つきはしたんだろうか?」「栃の実せんべいというのがあ
るから栃の実を餅にしたのだろうか?」いろいろ思ってしまいました。

私の子供の頃(昭和30年代の半ば)家では隣の家族と一緒に餅つきをして
いました。幼い私は自分にもつかせてほしくて仕方ありません。が男衆は
汗を流しひたすらつき、女衆は片栗粉で真っ白になりながら鏡餅やのし餅
にしていきます。子供らはそんな年の瀬の雰囲気の中でウキウキしていま
した。『僕も大きくなったらつけるんだ』 大人達と、大人達が営んでい
る季節の暮らしがとても頼もしく思えた実感があのとき、あの時代たしか
にありました。

昭和35年 有峰ダム完成。日本は高度成長時代の最加速期に入り、技術革
新、所得倍増、暮らしがドンドン電化され、大人達はいつも忙しくしてい
ます。「ねえねえ、餅つきやらんがけぇ」という子供の声はついに聞き届
けられず、餅は餅屋につきに出すようになり、やがて市販の餅を買うよう
になり。餅つきをした土間は部屋が増築され、餅つきの記憶は気がつくと
セピア色に変わっていきました。

同じ餅を食べながら、餅だけが同じで何もかもが子供の頃には想像もつか
なかった餅つきを終え「私たちは随分遠くまで来てしまったんだ
な・・・」と、いわく言い難い感慨に浸りつつ大晦日は暮れていきました。
そんなオレゴンより、有峰村民の皆さん、今年も宜しく。
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◆「第3回ありみね高校生学びの森」 高校生感想文
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ライントランセクトを地図に書き込んでいく面白さ
                    富山いずみ高校 中島可愛

まず最初に携帯の電波がないということが信じられませんでした。普段の
生活では、全く考えられないことだし、3日間全く携帯が使えないことは
想像できませんでした。山を登って行くにつれて携帯の電波の表示が1本
ずつ消えて、しまいには圏外になったときにはおもわずがっかりしてしま
いました。

しかし、そんな感じでスタートした有峰での3日間は私にとって夢のよう
な3日間になりました。まずバスから降りたときに感じたことは、空気が
とても澄んでいる事と思わす背伸びをしたくなるような自然に囲まれたの
どかな様なものが、本当に心地よかったです。

そして、なによりも印象に残っていることは、ライントランセクトです。
ライントランセクトは初めてやりました。いつもすべてを「木」としか思
っていませんでしたが、よく見ると1本1本違っていて木の名前が全く解
らなかったけど、先生方は見ただけですらすらと言っていて驚きました。
しかし、やっていくうちに自分でもだんだん解るようになって、とても楽
しかったです。後で調べた結果を地図に書き込んでいくと、ほんとうに面
白いことが解りました。ある場所はブナ林だったり、というように場所に
よっていろいろな林になっていました。ああ!大変だったけどこんな結果
にたどりつけて本当にやりがいがあった。と達成感でいっぱいでした。3
日間、有峰の大自然に囲まれて自然って何てなんて最高なんだろうと心か
ら思いました。

後から思ったことですが、あの自然に浸るには携帯はいらないし、まして
や似合わないなと思いました。

ほかには、1日目にバスで移動している時に、クマさんに遭遇しました。
運転手さんは、バスを一旦止めてくださりクマさんをじっくり見ることが
できました。クマさんはおそらく子クマぐらいの大きさでした。はじめて
クマさんを見ましたが、とてもかわいくて可愛すぎるぐらいで人間が中に
入っているのではないかと思ったくらいです。

帰り道、山を下るにつれて携帯の電波が1本ずつ増えてたまっていたメー
ルがどんどん届きましたが、ああこれで家に帰るんだと思った瞬間うれし
いけど、反面悲しいような複雑な気持ちになりました。ただ、今までない
ぐらい貴重な体験ができたのは確かです。このような機会を与えて下さり、
本当にありがとうございました。
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私の目が漫画のように光ったかも      福野高校 泉澤美希

私は今回、この活動に参加できて本当によかったと思います。この活動の
お陰でたくさんのことを知ることができたからです。私にとって一番心に
残っているのがハコネサンショウウオを捕ったことです。もともと両生類
好きの私にとって最高の時間を過ごすことができました。サンショウウオ
を捕った場所で一番心に残っているところは真川です。景色も圧倒される
所があり、しかしそこはたくさんサンショウウオがいたのです。石をひっ
くり返すとくねくねと他の隙間へ入ろうとする茶色い背中。それを見るの
がたまらなく嬉しかったです。

しかし残念なことが1つ。それは真川で逃がした、背に黄色いまだら模様
のあるサンショウウオの事です。多分ヒダサンショウウオと思うのですが、
それを大きな石をどかして見つけたとき、私の目が漫画のように光ったか
もしれません。サンショウウオを追いかけて、7、8個の石をどかしたと
ころ、そのサンショウウオは姿を消しました。私はとても悔しかったです。

ナイトウオッチングのことも良く覚えています。そこで見た、かわいらし
くもこもことして、しかし少し細めのタヌキ2匹。兄弟のような2匹がト
コトコと歩いているのがかわいかったです。追いかけて2方向に別れた2
匹が今も一緒にいると嬉しいなと思ってます。

今回は第2回目の初日、私が体調を崩してしまったとき、先生方や有峰ハ
ウスの皆様方には大変ご迷惑をお掛けして申し訳ないと思っていると同時
に、心配して下さったことをとても感謝しております。私は本当にこの活
動ができて良かったです。来年も再来年も参加し、もっと自分の好きなこ
の分野のことを深く知りたいと思っています。

編集部注1 「ありみね高校生学びの森」とは、富山県内の高校生20名
程度の参加者を募り、県立高校生物教諭の指導のもと、有峰の自然観察す
る事業です。6月、10月に日帰り、8月に2泊3日。合計5日間の活動
です。

編集部注2 ライントランセクト法とは、森林とか草原などの植物の社会
を一本の線か帯で切り取り、その断面、いわゆる構造を図で表して見る方
法です。具体的には、まず、折立遊歩道(全長約1,800m)を真川側から有
峰湖側まで、12箇所の調査地点を決めます。その地点から、巻尺を50m伸
ばします。その50mの範囲で、5mごとに現れる樹木の種類と、その樹木が
どの程度地表を被っているかを、半日かけて調査していきました。スター
ト地点で標高1,330m、頂上で1,400m、終点が1,130mですから、ブナなどの
落葉樹の森からネズコなどの針葉樹の森への変化が観察されるとともに、
同じような標高であっても、有峰湖側の植生と真川側の植生が違うのにも
驚かされます。
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