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有峰村民の皆様と、双方向で交流するメールマガジン

有峰森林文化村新聞 2017年2月3日 第379号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/青山和浩
(発行日現在の有峰村民人口:854人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ねじばな便り
  〜山森直清さんから学ぶ3回目-俗化、もう無視?~       中川 正次
  〜北陸電力が減配~                     八十島 大輔
◆編集局からのお知らせ                 
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◆ねじばな便り
  〜山森直清さんから学ぶ3回目-俗化、もう無視?~       中川 正次
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  2000年8月31日の農林水産常任委員会の質疑応答を続けます。なお、知事の答弁がない
のは、常任委員会に知事は出席しないからです。

犬島委員 有峰にカルデラ博物館や立山博物館のようなものが必要だとは思わない。こうい
ったものがないのが有峰の美しさとか静けさを担保している。ただし、生物層などについての
調査データも既にかなりあると思うが、自然環境調査についての系統的な情報を県民が入手
できるようにしておかないと、有峰の環境保全に住民が協力してくれることにはならない。知ら
せたら取りに入るだろうという理屈もあるが、知った上でなお取らせないというのが、県が今
示そうとしている俗化させない有峰を形成していくと思う。その意味で情報提供も極めて重要
な課題であると思うが、所見を聞きたい。

小見課長 委員の指摘したとおりだと思っている。有峰地区の自然環境や歴史などについて
の情報整理、それらの情報を容易に県民にも提供できることなども、今後検討会等を通じて
研究していきたい。

解説。犬島議員と小見課長の意見は完全一致しています。犬島議員の質問を続けます。

犬島委員 有峰をそのように捉え、描き、理想像を求めていくのはすばらしいことだと思う。
立山は開発により入山客が多くなり、ごみの始末などの現実に追われ、これは大変だとの
消極的な反省に立つものなのか。それとも21世紀において有峰というものをこう描かなけれ
ばならないとの積極的な考え方が出ているものなのか。有峰のいろんな積極的な方向を新
しい総合計画に書き込むだけでなく、立山黒部、立山カルデラ、有峰などに関して政策的に
共通する部分と違う部分はどこにあるのか系統的に明確にしていかなければならないと思
う。それは農林水産部だけの問題ではなく、県全体の仕事になると思う。その見地から総括
的に、有峰をめぐって周辺の山々との差別と同一、有峰をどう描くか聞きたい。

解説。いよいよ、立山俗化に対する反省に立った有峰森林文化村なのかという問いです。
犬島県議の消極的俗化論に乗ってしまえば、昭和30年代以降の県政を否定することになり
ます。かといって、犬島県議の積極論に与すれば、とても重い荷物をしょいこみそうです。
県庁全体で、立山・黒部・有峰の姿を模索するなんて、話がややこしくなります。ましてや、
知事のお墨付きもある有峰森林文化村をがんがん進めたいと考えている農林水産部にとっ
て、主務部は別ではないのかと言われているのですから。いよいよ、上江崇春農林水産部
長の登壇です。

上江農林水産部長 今までの観光はできるだけ多くの人、いわゆる団体旅行に代表される
ように多くの人たちが自分の思いと必ずしも合わなくても団体でざっと見ていくという観光が
中心であり、立山もそういったことをある程度受け入れるような態勢で交通手段などが整備
されている。しかも民営であることから採算も考えながら、ややもすれば商業主義的な取り
組みがなされてきた面もあると思っている。これからの観光は、そういった動きはかなり変化
してきているし、もっと変化するのではないかと思っている。その端的なあらわれは、小グル
ープあるいは家族など、自分の思いを達成するためにそれぞれの地域に出掛けていく旅行
が中心になってきているし、21世紀においてはそういった意味での取り組みがなされてくると
思っている。これからの観光開発は、その地域が持っている特性を十分に発揮または生か
せる取り組みをしていくのが基本だと思っている。
 立山はよく俗化したと言われるが、立山そのものが俗化したとみるのか。あるいはそこに
行っている人間の気持ちが俗化しているのかについてもう少し考える必要がある。立山の
持つすばらしい気高さは決して変わっていないと思っている。有峰の自然が持っている特性
をこれからも生かせるような利用の仕方を考えていく必要がある。
 有峰には有峰青少年の家やビジターセンター等県有施設が幾つかあるが、有峰管理事
務所をこれからどうしていくのか検討する中で、森林管理を農林水産部で検討することにな
った。その中で、森林だけを切り離して管理するわけにはいかない。あるいは森林を管理す
るための林道管理だけで考えるわけにはいかない。有峰が持つ自然や歴史文化、さらに関
連するカルデラ、薬師岳、黒部の源流へのアプローチ、有峰湖が富山市の水源にもなって
いるが、この果たしている役割など幅広に考えなければならない。
 単なる管理事務所の問題だけではなく、全体を含めて有峰の今後の取り扱いを考えてい
こうということで、「森林文化村」と仮に名をうちながら、庁内並びに大山町、北陸電力ともい
ろいろと意見交換したらいいのではないかと打ち出したわけである。あえて「村」としたのは、
地域となると面的広がりという考え方になるが、おのずとそこで行われる人間の営みを考え
ていかなければならないとのことで村という名前を付け、いろいろなことを考えていくことにし
ている。そういう面からすれば、治山課が取り持つにはあまりにも大き過ぎる課題であるが、
せっかく与えられた命題であるので多面的に考えながら、有峰のこれからの位置づけを関
係者の意見も聞き、庁内の議論をした後は、専門家の意見ももらいたいと思っている。
 何よりも大事なのは、有峰の資源は一体どういうものなのか。例えば自然にしても、今ま
では有峰の木材は伐採し、また植林をするという形で利用してきた。天然林も残されており、
その植生はどうなのか。そこにどういう歴史があるのかも調査研究しなければならない。そ
れらをきちっとそろえた上で有峰というものを客観的に整理しなおす。そしてそういったこと
を考えながら有峰を利用していかなければならないと思っている。
 林道ができて確かに便利にはなるが、これは安全に有峰へアプローチするための一つの
手段としてきちっと整備する必要があると思っている。十和田湖、奥入瀬(おいらせ)へのア
プローチは非常に道路もよく整備されているが、決して俗化したとは言われない。そのよう
にその地域の持っている特性をきちっと打ち出していけば、それに合った利用の仕方が確
立していくのではないかと思っている、そういった面をきちっと整理しながら、県民の理解を
得て利活用し、保全していきたい。

解説します。前回書きましたように、部長の答弁案は、課長推敲済みの案を部長に提出し、
部長・次長の添削を経て、部長に再提出することによって一件落着です。部長は、それを
そのまま読むこともありますし、自分でさらなる修正をすることもあります。上の答弁におい
て上江部長は、小見治山課長提出原案を、訂正することなく受け取り、一晩じっくり考えて、
答弁しています。そして、治山課長案から大変わりした答弁になりました。団体旅行の変
化、十和田湖・奥入瀬など、案には一言もなかった話です。立山が俗化していることをさり
げなく認め、村と銘打つ意義を示し、治山課主体でやっていくつもりであることを述べ、十和
田湖や奥入瀬渓流が俗化していないように有峰もそうしたいと締めくくっています。偉大な
部長に仕えていたものよと、その幸福を思います。

 しかし、今、この答弁を吟味すれば、疑義がないわけではありません。

 私は、有峰の参考にと、十和田湖・奥入瀬渓流に視察に行かせてもらいましたけれども、
地元の人がどう感じているかは調べませんでした。今もわかりません。問題は、地域の人
が、地域の観光地をどう見ているかです。富山県民にとっては、朝な夕なに立山連峰を仰
ぎ、小学校6年生の時に立山登山し、「仰ぎ見る立山連峰」で始まる富山県民の歌を空で歌
える富山県民が、日本三霊山の一つ立山を、俗化したと見ているかどうかが問われている
のです。住んでいる人たちにとってどうかという問題を問うことなく、十和田湖や奥入瀬渓流
を例に挙げ、あんなふうにしたいと言われれば、なるほどなあと、皆が納得する答弁だと思
います。こういう風に気づくのは、私がこの原稿を書くために、何日も何日も考えているから
であって、当時は、「さすが、上江部長!」としか、思っていませんでした。

 本題から脇道にそれますが、上江部長は、「今までは有峰の木材は伐採し、また植林を
するという形で利用してきた」と答弁していますが、伐採をやめてから30年以上経っていま
す。念のため。

 富山県議会のホームページには、1994年からの本会議、予算特別委員会、2000年から
の政策討論委員会、2001年からの委員会の会議録が登録されています。ここまで転記して
きたものは、2000年の農林水産常任委員会であり、ホームページには載っていません。
ですから、私は、議会図書室に行って本になっているものを探してもらい、そこから転記しま
した。
 さて、そのホームページで「俗化」で検索すると、3件がヒットします。うち、2件は、世俗化
(1998年)、習俗化(1996年)でヒットするものです。この2件は、教育に関する質疑応答です。
残る1件は、2001年3月の農林水産常任委員会のもので、犬島委員の質問に対する小見
課長の答弁です。つまり、これまで転記してきた委員会の半年後に行われた答弁です。

犬島委員 最後に、有峰文化村について聞きたい。この文化村は自然と対決するのではな
く、自然に即して生きていく場をつくっていくのが基本理念かと思っている。この村の21世紀
的な意義と、村という以上学びという営みなども起きてくるのではないかと思うが、何を学ぶ
施設にしようとしているのか聞きたい。

小見治山課長 有峰森林文化村の基本構想は検討会の中で議論しているところである。
21世紀は心と環境の世紀だともいわれており、日本人の美しい心にも目覚めて、人としての
生き方を循環と共生の観点から見直すことが求められているのではないかと考えている。
そうした思いをこの基本構想の中で、有峰を俗化させず、心に残る森として22世紀に渡して
いくという基本的な考え方で今後、訴えていきたいと思っている。
 どのようなことを学ぶかについては、有峰森林から広く県民が恩恵を受けていることに感
謝し、今後とも県民共有の財産として維持し、その自然の偉大さも学んでいきたいと考えて
いる。
 具体的には、第1に、有峰の自然は富山市など下流域の人々の重要な水瓶になっている。
また、80万kwを超える水力も起こしている。さらには山地災害防止等といった多くの恩恵を
県民に与えている。こういったことに私たちは感謝し、有峰森林の多様な機能を持続的に
高めていこうということである。
 第2には、自然に即する、即自然といった見方に立ち、豊かな有峰森林の中で展開される
森林環境学習、有峰森林の動植物の営み等から謙虚な自然観を学び、私たちの日々の生
活の中でもそれらを知恵として生かしていくことも考えている。今後は有峰森林を県民のよ
き学びの場として22世紀に引き渡せるように、有峰森林文化村構想の推進に努めていきた
い。

解説します。この小見課長の答弁が、有峰森林文化村の目指すところをきっちり説明してい
ます。先に転記した、前年9月議会のものと比べて、明快です。しかしながら、9月議会の方
が、俗化とはなんだろう、どんな状態が俗化だろうという難しさが背後にあり、どきどきさせる
答弁になっています。半年後の犬島議員の質問からは「俗化」の言葉が消え、小見課長が
さらりと、「有峰を俗化させず、心に残る森として22世紀に渡していくという基本的な考え方」と
いう形で、「俗化」という言葉を使っています。9月議会の上江部長の答弁で俗化論争は一件
落着したことが読み取れます。

 今ここで、「俗化」でヒットする議会質疑応答が、2001年3月を最後にないという事実に驚か
されます。「観光」で検索すると、1040文書、6629発言がヒットします。さらに、「観光」「経済効
果」で重複検索すると、134文書、188発言がヒットします。「観光」「イメージアップ」で重複検
索すると、212文書、289発言がヒットします。つまり、観光を推し進める上で、大事なのは、経
済効果やイメージアップのであって、俗化なんて無視なんです。

経済効果とは、平たく言えば儲かるかどうか。イメージアップは、見かけがよいかどうか。
一方、俗化という言葉に気を取られるのは、お金に目がくらんで、外見だけを気にし、精神面
のことはおざなりにしていないかを、心配するからです。俗化という言葉が、議会から消えて
しまったということは、社会劣化の一つの証拠にならないでしょうか。俗化について、次回、
山森直清さんから教えていただいたことを基に、私の発見を書きます。
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◆ねじばな便り
  〜北陸電力が減配~                     八十島 大輔
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 1月31日付の新聞の朝刊に、「北陸電力が5年ぶりの赤字、1980年以来の減配へ。」
という見出しの記事が載っていました。当然、有峰のことを知っている方は北陸電力さ
んをご存知でしょう。有峰なくして北電はなく、北電なくして有峰は無いというような
間柄ですよね。有峰唯一のレストラン、有峰記念館も北電さんのものですし、記念館に
は北陸電力が如何に苦労して有峰の開発を行ってきたか、と言うことが堂々と展示して
あります。今年は春頃に、宝来島が陸続きになっていましたが、ビジターセンターの方
の話によると陸続きになると言うのは珍しいらしいです。暖冬の影響で雪解け水も少な
く、水力発電も儲からなかったのでしょうか。

 株を持っていると、黒字の企業からは配当金というお金を貰う権利があります。赤字
だと基本的には余裕が無いわけですから、配当金は0円です。赤字が続けば企業は倒産
します。そういう企業の株は誰も欲しくないから安くなります。
 反対に、配当金が出ると言う事は企業に余裕があるということで、そういう会社は潰
れそうもないので安心です。株を持ってるだけでお金が入ってくるうえに、他の人に売
れば高く売れるので皆が欲しがります。そうすると株価は上がっていきます。
 至極簡単な説明になりましたが、株って言うのはそういうものみたいです。その北電
の配当金が年間1株あたり50円から35円になるということだそうです。1月31日の株価
は1株 1,200円くらいなので、銀行預金にたとえれば、毎年4%の利息が、3%くらい
に下がったということでしょうか。北陸電力は、創業以来無配当は無いと言うのが自慢
みたいに書いてあるので、余裕が無くてもこれだけは払うんだと言う決意の裏返しかも
しれません。

 さて、北陸電力は2億1,000万株の株式を発行済みなのですが、そのうち、富山県が
1,127万株、5%ちょっとの株式を保有する大株主です。何故これだけの株を富山県が
持っているかといえば、有峰ダムを開発する際に富山県が有峰集落の人から買い上げた
有峰全域の土地が、北陸電力主体の開発になるときに移ったこととも無関係じゃないと
言う話も何処かでどなたかが言っていた気がします。
 15円の減配ということは、富山県にとっても約1億7千万円ものの減収となるわけで、
一般県民の感覚としては、そのせいで税金があがったらどうしよう。というか、それよ
り北電の電気料金があがるのも嫌だな。と思ったりするわけです。

 しかしですよ、よくよく考えてみると、年間50円の配当金が毎年あったということは、
大体5億6千万円もの配当金を毎年富山県が北電から貰っていたと言う事です。多分そ
こから税金は引かれるんでしょうけど。その株式の由来が有峰にあるとすれば、その額
だけで有峰の運営経費が全額賄えるんじゃないかしら。そうすれば、有峰林道の利用料
も安くなるんじゃないかしら。とふと報道を見ていて考えてしまった日でした。そうい
うことは無いんでしょうけど。
 調べてみたところ、この配当金は「元富山県営水力電気並鉄道事業」資金特別会計と
して、毎年積み立てられており、平成27年度の決算を見る限り66億円程度溜まってるみ
たいです。これ何に使おうと思ってとってあるんでしょう?というか、毎年5億入って
きてると10年程で溜まるんですが、どこに消えてるんでしょうか?

 今年の雪の量はまだ分かりませんが、宝来島が陸続きとなることなく、がんがん水力
で発電できたらいいですね。湖面の周りに土肌がずっと見えているのもあまり景色とし
ても良くないなと思いますし。
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◆編集局からのお知らせ                    有峰森林文化村
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◇次号の有峰森林文化村新聞は、2月24日に発行予定です。

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◇文化サークル活動所/有峰デジタル画廊にどしどし投稿お待ちしています。
 (デジタル写真でも絵画(写真に撮って)投稿してください。)
  有峰森林文化村新聞は村民の交流の場として利用してください。
◇有峰森林文化村では皆様からいただいた情報やご意見、感想を掲載いたしますので、
 どしどし投稿をお待ちしております。
◇あて先   E-メール:info@arimine.net

                         有峰森林文化村助役(編集長)
あおさん思い巡らす
 先日、亀谷連絡所で1mの積雪だったので、ビジターセンター周辺は2~3m積もっ
てるだろうなぁ~。大い時は4mを超す積雪の中で、いったい有峰びとは、平屋の家で
どんな生活をしていたのだろうか?ドラえもんの、のどこでもドアで覗いてみたいわ。