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有峰森林文化村新聞 2017年3月17日 第381号
編集/有峰森林文化村会議 編集長/青山和浩
(発行日現在の有峰村民人口:854人)
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ねじばな便り
  〜二項対立~                          中川 正次
◆編集局からのお知らせ                 
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◆ねじばな便り
  〜二項対立~                          中川 正次
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立山連峰を俗化させず大衆の山とする。昭和30年代には、富山県民に共通の認識だったこ
の考えが、いつしかすたれてきた。「大衆の山とする」が忘れ去れ、「俗化させず」が風前の
灯ということをこれまで書いてきました。

このことをどう解釈するか。百人百様の解釈が、それぞれに正しいと思います。私の解釈を
書きます。

立山黒部アルペンルート沿線はさておき、劔岳は、いまだ、きっちりしているのではないでし
ょうか。私は、劔岳に登ったことがありません。腰が痛いので、今から登ることも不可能だろ
うと思います。さて、その劔岳の登り口の馬場島には、「試練と憧れ」という石碑があります。
県庁で一緒に働いた上市町出身の吉田智美さんの祖父にあたる方が書かれたそうです。
劔岳をインターネットで検索すると、この「試練と憧れ」という言葉がたくさん出てきます。

「俗化させず大衆の山とする」もそう。「試練と憧れ」もそう。このように、対立項で問いを立
て、その対立項を融合させて新しい価値を生むように努めることを、二項対立といいます。
岩波新書に「仕事術」という本があります。著者の森清さんは、二項対立の重要性を説いて
います。世間をにぎわす事件で、「第三者委員会」がよく出てくること。元最高裁長官の三好
達さん(日本会議前会長)が、「私は、学生の頃から日本国憲法は間違っていると思ってい
た」と発言していることなどから、社会の公平や中庸が揺らいでいると思います。二項対立
の重要性が、再認識されなければならないと思います。そして、劔岳が「試練と憧れ」という
二項対立を保っていることに、ほっとします。

仏教で考えてみましょう。有峰森林文化村の村長、梅原猛さんの「『森の思想』が人類を救
う」という本を引用しながら説明します。

仏教は、紀元前5世紀に、インドのガンジス川の流域で活躍した釈迦の思想に端を発しま
す。釈迦の仏教は、人里離れた山に入って静かな人生を送るという教えです。しかし、それ
では迷える大衆を救えないのではないかという考え方が出てきました。迷える大衆を救うた
めには、山を降りて、欲望にたいしてちがう考え方をもたなければならないのではないか。
山で修業しているのは欲望の否定に偏りすぎてはいないか、もっと欲望にたいして自由で
あるべきだという思想です。これが大乗仏教で、唱え始めたのは、インドの龍樹(2世紀)と
いう人です。大乗仏教は、迷える人を救おうとするもので、菩薩仏教とも呼ばれます。
一方、釈迦の教えに忠実たらんとする仏教は、小乗仏教と呼ばれます。龍樹は、小乗の教
えでは多くの迷える大衆を救えないとしたのです。

中国には、インド生まれの仏教が西域経由で入ってきました。大乗仏教も小乗仏教もです。
3世紀の鳩摩羅什(くまらじゅう)という中国の僧は、多くの女性を相手にたくさんの子供を
産ませ、愛欲に対して厳しい考え方をしない人で、この人が大乗仏教を中国の主流にしま
した。この流れをくむ大乗仏教が、552年に日本に伝来しました。

このように、日本に伝来した大乗仏教は、きびしい愛欲の否定という理想をおろした仏教で
した。そのかわり新しい思想を大きく掲げました。それは「自利利他」という菩薩行を実践す
ることです。菩薩行では、 1 布施(恵み施すこと)。  2 持戒(道徳的規律を守ること)。
3 忍辱(耐え忍ぶこと)。  4 精進(努力すること)。   5 禅定(集中すること)。
6 智慧(知恵をもつこと)が求められます。六波羅蜜と言います。富や名誉に対する執着や
性欲から逃れることのできない大衆の姿を肯定しつつ、六波羅蜜を守りなさいという教えが、
日本の仏教ということになります。

私は、この六波羅蜜の存在を知るまでは、お寺に行って、寄付をした人の名前と金額を、金
額の大きい順に並べて掲示してあるのを見て、名誉欲をくすぐってお金を集めようとしている
のではないかと思っていました。母にそれを話すと、「お金がないとお寺がつぶれるから当た
り前じゃないの」と言っていましたが、どうもすっきりしませんでした。しかし、六波羅蜜の先頭
に布施が書いてあるのです。布施は、虚栄心をくすぐりかねない面がある一方、自利利他と
いう大事な面があるのです。まさに二項対立です。

この梅原さんの説に従えば、「俗化させず大衆の山とする」は、日本仏教の二項対立を凝縮
した言葉といえるでしょう。


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◆編集局からのお知らせ                    有峰森林文化村
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アメリカより有峰のトランプがすばらしい!!

 あおさんが一番好きなカードは、♠4でーす。
そのカードの「有峰の三名花」にまつわるお話しに出でくる「花の精」
山に上がった宴に、舞い表れてきてくれるのを夢てまぁ~す♡♡♡。
(♥3にして欲しかったな)